狩猟免許取得メモ in 北海道

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念願の狩猟免許を取得しました。

普通の人はきっかけはどうであれ狩猟免許を取ろう!と思いたったころは何をどうしていいのやら一切わからない。それくらい謎な資格だろう。実際に手続きや提出書類が面倒で受験する前に挫折してしまう人もいるのではないだろうか。

ここでは北海道で狩猟免許を取得したい!と思いたったばかりの人やいつか必要になる後輩たち向けに簡単に手順や費用をメモって残すことにします。

まず狩猟免許には

  • 網猟免許
  • わな猟免許
  • 第一種銃猟免許
  • 第二種銃猟免許

と4種類の資格がある。

狩猟と言うと銃でドーンというイメージがあるかもしれませんが、網やワナを使って動物を捕えることも狩猟と言う。狩猟免許を取得する人の8割くらいは第一種銃猟免許を選択すると思う。第二種は空気銃のみ使える資格だが第一種銃猟免許に空気銃も含まれているため第一種銃猟免許を取得するすることで第二種も持ったというイメージになる。

その他に網やワナを使いたければそれぞれを受験する必要がある。私は第一種銃猟免許とわな猟免許を取得することにした。

 

ステップ1 – 猟友会の狩猟免許講習を申し込む

これは必ず受ける必要はありません。特にわな猟免許は周りにアドバイスをくれる人がいて、その人が実際にわなを使用していれば十分独学で取得できる資格。

しかし第一種銃猟免許は実習があるため初心者にはこの講習なしではキツイ。また狩猟読本という教本をもらえるため(講習費用に入っている)これなしでは学科も難しい。

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狩猟読本と例題集。

費用は第一種銃猟免許、第二種銃猟免許講習で7500円、網、わなが5000円、

両方同時に受けるとちょっとお得な10000円。

申し込みは各地域猟友会支部が窓口になっている。猟友会支部で申し込みをした際にまだ狩猟免許申請をしていない場合はそのことを伝え、以下の必要書類をもらおう。

1.狩猟免許申請書

2.医師の診断書

3.狩猟免許試験受験票

4.返信用封筒(申請場所に持参できる人は不要)

もらい忘れた人はこちらからダウンロード→北海道猟友会

ステップ2 – 狩猟免許資格試験を申し込む

上記の書類を準備し地域振興局などへ提出。自分の地域の提出先を調べておこう。

1.狩猟免許申請書は個人情報を記入するだけ。しかし申請時に1種につき5200円の収入証紙(印紙ではない)が必要。2種だと10400円分。これは予想外に高い。手持ちが6000円しかなかったので一度、ATMに引き返したくらいだ。

2.医師の診断書は病院に行って診断書に医師のサインをもらう必要がある。病院によってかかる費用は様々でだいたい3000円~5000円くらいかかる。講習申し込み時に猟友会の人に診断書を安く書いてくれる病院を知らないか聞いてみよう。 私の場合は4200円取られた。もちろん保険なんてきかないし、サインする医師にも責任が生まれるわけなのでしょうがないかもしれないが、高い。

3.狩猟免許試験受験票は顔写真(縦3cm×横2.4cm)が必要になる。これは受験の際の本人確認用なのでわざわざ写真屋や証明写真ボックスに入ってお金をかけなくても良い。私はスマホで撮影してもらい証明写真作成アプリで編集し印刷したものを使った。問題なかった。

とにかく申請までがめんどくさい。しかもお金もかかる。

私のように2種類受験する場合、ここまで合計

講習費用 10000円 + 免許申請 10400円 + 診断書 4200円 = 24600円

手間と費用でそりゃハンターになる人も増えないわ、と思った。

 

ステップ3 – 狩猟講習を受ける

講習は地元猟友会によって決められていた場所(公民館など)で一日かけて行う。

あらかじめ配られた狩猟読本に添って重要な(試験に出そうな)箇所を説明してくれ、その後に実習。実習と言っても実際に銃を撃つわけではなく銃口がふさがった模擬猟銃を用いてなのでご安心を。2種類受ける場合は9時-17時まで丸一日かかった。

でも個人的にはこの講習に大満足。1日で何もわからない状態から試験に挑む準備までできたのだから。問題は銃の組み立て時に銃身がうまくハマるか・・・。

実習は何回も「銃口内、実包なし、異物なし!」というがある人が「銃口内、実包なし、異常なし!」と言っていたのを聞いてしまい、同じく「異常なし!」が頭から離れなくなっしまった。そして本番でも・・・

 

ステップ4 – 狩猟免許試験を受ける

ここまで来たらあとは試験に挑むのみ!

試験の流れは

1.第一種銃猟免許 学科試験

2. わな猟免許 学科試験

3.学科合格発表

4.学科合格者のみ適性検査

5.距離目測検査

6. 狩猟獣か非狩猟獣かイラストを見て答える試験

7.第一種銃猟免許 実技試験

8.わな猟免許 実技試験

人数、試験地により順番は異なると思う。

試験はまず学科試験を受ける。最初に第一種銃猟試験を行い、それが終わってから引き続きわな猟試験を受ける。時間は各90分あるがそれぞれ30分もあれば十分だろう。7割以上の正解で合格。前日に狩猟読本を復習したが結構わからない問題があった。これは講習なしではきつかった。

3.学科合格発表では受験者全員が無事合格したのであった。

4.学科合格者のみ適性検査は屈伸運動などの他に視力検査(両眼で0.5以上)など

5.距離目測検査は試験官によってあそこのお寺までの距離は何メートル?っていう質問に300m,50m,30m,10mのどれかを答えるだけ。余裕。

6. 狩猟獣か非狩猟獣かイラストを見て答える試験は講習時に配られた狩猟教本に載っている狩猟獣のイラストの中で狩猟して良いかダメか、良い場合はその種類を答えるというもの。試験官とマンツーマンで狩猟教本と同じイラストが紙芝居形式でめくられポンポン答えていく。わな猟の狩猟獣はなじみある動物ばかりなので問題ないが、第一種のカモ類はややこしい。とにかく捕れるカモのみを暗記しそれ以外は捕れないと答える。それでも以下2コも間違えた。kinkuro

予想外のキンクロハジロ。「捕れません」と答えたが正解は「捕れます。キンクロハジロです」

nihonris

これを出され「捕れますニホンリスです」と答えてしまった。正解は「捕れません」。       なぜかニホンリスは当たっていた。

7.第一種銃猟免許 実技試験が一番の難関。特に90秒で銃を組み立てる作業は一度ドツボにはまるとトコトンうまく組み立てられない。冷静を装いつつも手に汗かきながらなんとかクリア。その後もミスが続いた。実は講習から試験まで1週間空いていたためほとんど手順を覚えていなかった。覚えていたのは「銃口内、実包なし、異常なし!(正解は異物なし)」

8.わな猟免許 実技試験で最後。最初に法定猟具か法定外猟具かを答える。このころには疲れ切っていて、これもまた1週間前のことは忘れており「筒式イタチ捕獲器」を「イタチ式筒式?あれ?(小さい声で)捕獲器」と言ってしまった始末。その後は法定猟具の中から1個を選び、架設する。もちろん箱罠をチョイス。ひっかりにくい留め具に苦戦しながらもなんとかクリア。

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筒式イタチ捕獲器は赤丸部分のストッパーがないと使ってはいけない

何点かミスもありつつも無事終了。旭川試験場ではその日に合格発表は行われなく後日郵送で合格していれば狩猟免状が郵送されてくる。ちょうど1週間が過ぎたあたりで到着し無事合格。晴れてハンターになれる権利を得た。

終わってみると試験勉強は自分にとってためになることが多かった。外来種や野生動物の特性なども勉強したからだ。免許を取ったからすぐに狩猟に出れるわけではなく銃所持の手続きや狩猟登録などまだまだ現場に出るまでの手間と費用がかかるようだ。

そのあたりは猟友会のサイトやエゾシカ協会のサイトが参考になると思うので割愛する。

最後に狩猟免許は落とすための試験ではなく受からせるための試験であるということ。

だからといって何もしなくても受かるわけではなくやはり勉強が必要だ。

ちなみに講習から試験までの1週間、なんとか感を取り戻そうと参考ししたのが鳥獣害対策の知恵袋。猟具の説明などとても詳しく書いており大変参考になります。