GL-770をカーモードにしてしまう問題

2019 年 11月 15日
byボリボリ

 

先月の後半に謎の雪虫大量発生がありました。
今年の初雪は少し遅めでしたが、ここにきてようやくがっつり吹雪いています。

やがて除雪も始まります。除排雪業者さんのおかげで私たちは車を走らせることができます。

ここらで作業が始まるのは、車通りが少なくなる夜10時頃でしょうか。
大きな除雪車や排雪ダンプなどずら~っと並んで、ライトが高いところからピカーっと光り、着ぶくれした作業員さんたちが何か話しながら左右にゆっくりゆれていたり寒さしのぎに膝でリズムを取りながら出番を待っています。
冷え切った空気の中ですごくかっこいいんです、この光景。

彼らは私たちが寝ている間にやってくれます。雪の多い夜は聞こえてくるんです。
ゴーって近づいてきてそして遠ざかります。
これを聞くとホッとするんですよね。あぁ来てくれているって。
で、翌朝に出勤するころには道路がきれいになっているんです。

そんな雪国の生活を支えてくれている除雪の車両や作業員さんは
GPSロガー  GL-770 を持ち歩いています。
除排雪業者の方たちが業務の報告を、管轄の市町村に提出する必要があるからです。

「さぁ行くぞ」
「あれ、へんだな」
「どうした」
「GPSがつかない」
「なんでよ」
「わからん。オレンジがつかない。青いのがついてる」

こういった経験はございませんでしょうか。
GL-770には通常のログするモードの他に、カーモードでログするモードがあります。
通常のは、電源をオンにするとGPS信号の受信を開始してのちにログを開始します。
カーモードは、GL-770を車のシガーソケットとケーブルで接続して使いますが、電源をONにしただけではGL-770はONになりません。
車がエンジンを始動するとシガーソケットからの給電が開始されるのでそのタイミングでONになり、のちにログを開始します。
ドライバーさんが、電源ボタンを押す手間を省く便利な機能です。

しかし、持ち歩いて使用する人がこの機能にしてしまうと電源をいくら入れなおしても
ログを開始せず、カーモードの青いLEDがさみしく光るだけです。

 

カーモードになってしまう恐ろしいボタン。
10秒、それを押したらおしまい のボタン
その名は POI(ピーオーアイ…Point of Interest)ボタン
中には、「ポイ」ボタンと親しげに呼んでくださる方も。

 

なんでしょうね、このPOIボタンの存在感。
大きいからだけではない、「押してみたい」誘惑にかられます。
なんなら電源と間違って押してしまうこともあるかもしれません。
考え事しながらボタンを押していると、10秒なんかあっという間かもしれません。

この存在感満点のボタンを10秒押し続けると、カーモードに突入してしまいます。
厄介なのが、いったんカーモードになると解除するためには、USB給電をしながら同様にPOIボタンを10秒押し続ける必要があるのです。
現場では解除できないかもしれません。

私たちがPOIボタンを押さないためにできることはあるのでしょうか。
一生懸命考えました。

 


(↑画像クリックで拡大↑)

やっぱこれですよね。
押すなよシール。これしかありません。
一部では、逆に「押してください」の合図になっている業界もあるとかないとか聞きますが。

デザインは(もちろん)異なりますが、すでにいくつかの会社様が実践されています。

最後に、POIボタンはログをしているときに短く押すと、手動でそのポイントを記録するなどの便利な機能がございますのでその機能をご使用にならない人にとっては「押すなよ」シールは有効です。
テプラで簡単にできますので是非お試しください。

 

BLE MAPというGL-770と接続できるアプリを使ってみる(GPSロガー後編)

2019年6月7日
byボリボリ

 

今日は朝から雨ですが、畑の野菜的には恵みの雨のようです。
昨日に引き続き、GL-770 のBluetooth機能がテーマです。

(→GPSロガー前編はこちら)

GL-770のBluetooth通信がいまひとつ活用されていないため、何かしらの活用方法を紹介できないかと考えておりました。
考えながら、台所のシンクを磨いておりましたら、ふと思いつきました。
「GL-770も販売開始から3年目なのだから、そろそろどなたかがアプリを開発されているかもしれない。」(他人まかせかっ)

GPS(GNSS)ロガーのアプリは海外のアプリを探すのが習慣なので、検索ワードは英語で「GPS」「BLE」でそのほかは期待を込めて「MAP」(地図の上に位置表示するアプリがいいかなという期待)、あるいは強気に「GL-770」(GL-770が使えますよというアプリが無いかな)で、検索をしてみました。

するとどうでしょう。検索結果の結構上位に日本語サイトの「BLE Map for Android」というものがありました。

株式会社テクナレッジ様のBLE MAP サイト
http://www.techknowledge.co.jp/tn2/a/ble_map.shtml

株式会社テクナレッジ様が開発されている「BLE MAP」というアプリはAndroid端末で動作するそうで、ありがたいことに「GL-770と接続可能」とあります。
ここが特に輝いて見えます。

さっそく、開発の会社様へお問い合わせました。
BLE MAPを公開されたのは2017/3/1とのことです。
GL-770を評価されたときに位置精度が良かったので、需要があるのではとBLE MAPが産み落とされたそうです。
スマートフォンには通常GPSが内蔵していますがそのGPSの精度では満足できないご用途やお客様にこのアプリを使っていただきたいとおっしゃいました。

GL-770の強味ともいえる位置精度のご評価を頂き、ありがとうございます。

またテクナレッジ様にご快諾をいただきアプリの体験をさせていただきました

1. それぞれの端末を起動してBluetoothをONにする。
スマホは、設定→BluetoothとタップしてONにしてください。画面上にBluetoothのアイコンが表示されます。

GL-770は電源ボタンを3秒ぐらい長押ししてONにするとGPSのオレンジLEDが点灯します。
BluetoothのLEDが点灯していない場合は、電源ボタンを短くおすとBluetoothがONになりLEDも青く点灯します。

BLE MAPを使用する場合は端末間でのBluetoothのペアリングという儀式は不要です。

 

2. スマホにインストールされたBLE MAPを起動して、アプリ右上のメニューボタンをタップし、「BLE GPSを開始」をタップします。

 

アプリがGL-770を探し当てると、「見つかりました」とメッセージが表示され、通信を試みます。この時シリアル番号でGL-770を識別できますが、近くには通信をしたい1台のみを起動し、2台以上置かないほうが良いと思います。

 

 

今度は、GL-770のBluetoothの青いLEDを見てください。点灯の状態から点滅を始めます。この点滅の状態が、他の機器と通信を行っている状態を示しています。

 

BLE MAPでできること

GoogleMapを背景に現在位置を確認できます。

ちなみにAndroid端末に内蔵のGPSで位置を見ることもできます。

自動でログ(位置ログ)させたり手動で現在位置を保存することができます。
また、保存されたログリストの任意のポイントをタップして地図に表示させることもできます。

 

メニューにある日本語のチョイスが好きです。わかりやすい。それが一番。

データは、スマートフォンにCSV形式で保存されますのでそのデータを使って、Googleのマイマップや、GoogleEarthにのせるのも楽しいかもです。


GoogleMyMapで展開

 


GoogleEarthで展開

 

このように、わからないところも特になく、チャチャっと使えました。
費用は、1,200円。サポートのメール窓口もございます。

GL-770ユーザーのの皆さんも、そうでない方も、ぜひご検討ください。

最後に、アプリの評価にご協力いただいた株式会社テクナレッジ様、本当にありがとうございました。

747ProとGL-770のBluetoothの違いやスマホとの互換性について(GPSロガー前編)

2019年6月6日
byボリボリ

 

6月に入り、北海道も半そでで日中を過ごす日が多くなりました。山々もきれいです。

近所の田んぼにも産毛のように小さいものが行儀よく植わっています。無事に育っておいしくいただく日が待ち遠しいです。

ところで、ゴールデンウィークを挟んで、MTK3329が搭載されたGPSロガーのユーザー様にはロールオーバー問題でご負担をおかけしております。

詳しくはこちら
https://www.gisup.com/gi-info_747.html

渦中のGPSロガーはトランシステム社のヒット商品である、747シリーズです。思い起こせば747Proは2010年の夏に売り出され2014年までに1万台を超える台数が日本各地に旅立っていきました。(遠い目)

今回の件で実感しましたが、過去のエース747Proはまだバリバリ活躍しているようです。言い換えるとユーザー様が今でも大切に使ってくださっています。
令和元年早々、バッテリーの販売も終了してしまった時、もう最後かと思いましたが何とか工夫して活かしていただいているのですね。
ジャパニーズマインドは物持ちがよいです。あきらめないで、使えるうちは。

その後747ProS(販売期間2011-2017年)に変わりBluetooth通信が無くなってしまいましたが、こちらのモデルは約9,000台販売され特に数年前より雪国の除雪車両に搭載され現役で活躍しています。

現在販売している新モデル(2016年-)はGL-770となりBluetooth通信が戻ってまいりました。昨年末に販売数5000台を超え、引き続きご好評いただいています。


GL-770 https://www.gishop.jp/shopdetail/000000001365/

 

こちらはBluetoothのバージョンが4.0に変わりBluetoothSmart(いわゆるBLE)という新しいものになりました。
Bluetoothのこの変化は、747Proがスマホ時代前のロガーならば、GL-770はスマホ時代のロガーであるという印象を強く感じます。

従来のBluetooth3.0(BT3.0)以前とこのBLE(Bluetooth4.0以降)は互換性が悪い感じで簡単に言うと、747ProとBT通信できるスマホでもGL-770とはBT通信できない可能性があるということなのです。ちなみに私のスマホはBluetooth4.0(LE付き)という仕様で747ProもGL-770も接続可能です。

ざっくり申し上げると、お持ちのスマホが、747ProのBT3.0とGL-770のBLEに対応している可能性がある場合と、747Proのみに対応している場合とGL-770のみに対応しているという3通りの可能性が理屈上あるということです。

「とにかく私のスマホにGL-770がつながるのか?」という疑問があるうちは
GL-770の購入に踏み切れない。あるいはロガーとしては使うがBLE機能は使わない。
これじゃ、付いている意味がない。日本で合法的に使えるよう手続きしたのに。

そこでGL-770と接続するためのスマホの要件をリストアップしてみました。
今回はアンドロイド端末前提で話を進めています。

●アンドロイドスマホの設定→端末情報で確認できる仕様

・バージョンがBluetooth4.0以降
・通信方式はBLE(Bluetooth Low Energy)
※私のスマホではBluetooth4.0 (LE付)という表記でした。

●メーカーHPやマニュアルで確認できる仕様

・対応のプロファイルがLNSに対応している。

LNSプロファイルとは
GATT(Generic Attribute Profile)と呼ばれるプロファイルをベースとして定義されたプロファイルLNS(Location and Navigation Service)

GATTとは
BLEで基本的にベースとして定義されているBluetooth通信のプロファイル

その他の力技としては、
既にGL-770をお持ちの場合は、試しにGL-770を見つけられるか検索する。
GL-770を検索出来れば、今度はアプリでGPS信号を受け取ってみる。
ということです。

ここでの問題はGL-770とBLE接続して使用できるスマホアプリがあるかどうかということです。私のアンドロイドスマホはBluetooth4.0 LE付きで、対応しているっちゃしてるのですが、それ用のアプリが無ければ770のGPSデータを受け取って何かすることができない。

そんなアプリないかなと思っていたら最近見つけました。
しかも日本語のアプリです。

 →次回(GPSロガー後編)へつづく