お盆が過ぎると、朝夕がもう秋らしい涼しさになる旭川周辺です。
今年の7月は、週末になるとなぜか雨降りでなかなかキャンプにいけず、「なしたんだ!今年は!(どうしてしまったんだ!今年は!)」とイライラしておりましたが、8月の連休に合わせて無理やりキャンプにいってきました。
気温が高ければ、多少の雨もそれほどつらくありません。靴の中がかぐわしいのを気にしなければ。
持ってきたのは、木の高さを測る道具。
GISupplyで主に教育教材として販売されている、タンジェントハイトゲージです。
主に弊社で扱っている測高計で樹高の測定に必要なデータは、下の3要素です。(このばあい、樹木が鉛直に伸びているという前提なのですが)
1.ターゲットである樹木と測定場所からの距離(水平距離)
2.ターゲットの頂点(木のてっぺん)への仰角。
3.ターゲットの底辺(木の根元)への俯角。
タンジェントハイトゲージの場合は、直角二等辺三角形の性質を利用した樹高測定器で、ユニークな測り方をします。
ターゲットの頂点への仰角が45度となる場所に移動します。
タンジェントハイトゲージについている2つの穴の中に木の頂点が入るように、うまいこと移動します。慣れればコツをつかむ事が容易です。
はじめ大またで、やがてちょこちょこ・・・というイメージです。そして、ターゲットから測定位置までをメジャーで測定します。
メジャーで測った距離と、地面からタンジェントハイトゲージまでの高さの和が、測定結果となります。
つまり、自由に移動できるような環境でなければいけません。
一方、傾斜計とレーザーや音波で距離を測る距離センサーが内蔵されている機器の場合は、ターゲットを捕らえることができれば場所を選ばないので、業務用として人気があります。
それでは、樹高を測定してみたいと思います。ここで気になるのが、精度がどの程度なのかということです。
樹高測定のデジタル機器では標準となったVERTEX IV(以下、バーテックス フォー)は、デジタルの測高計の中でも高精度機器のひとつですのでバーテックス フォーを基準として比較したいと思います。
バーテックス フォーは、傾斜センサーと音波による距離センサを内蔵しているので測定者の場所を選びません。
夫がひとりでテントを片付けている様子を尻目に娘と一緒に数本測定してみました。
(1)
タンジェントハイトゲージ:17.6m
バーテックス フォー:17.8m
差:20cm
(2)
タンジェントハイトゲージ:12.4m
バーテックス フォー:12.6m
差:20cm
(3)
タンジェントハイトゲージ:12.29m
バーテックス フォー:13.8m
(4)
タンジェントハイトゲージ:18.47m
バーテックス フォー:19.9m
(1)と(2)は、かなり差が少ない結果となりました。
タンジェントハイトゲージでは地面の傾斜が誤差発生の要因となります。
(3)(4)は、木の根元が計る場所よりも低い場所にありましたので高低差分だけ誤差が広がっているのだと思います。
三角形の法則を勉強している子どもたちが公園の木の高さを計りながら、数学を自然の中で学ぶということならとても、よい教材と思います。
ちなみに私の娘は、メジャーはりの担当でしたが
「もう手伝いたくないんだけど。」
といって、トンボ取りに行ってしまいました。しかし、メジャーは一人で張ることができないので、そのつど呼びつけては端っこを踏んでもらいました。バーテックス フォーの場合は、一人でも測れてしまうのですが。
また、木の高さは今話題の森林のCO2吸収量の計算の要素にも含まれますのでこれからのひとたち、子どもの教材としてはなかなかよいと思います。二人一組で作業ができます。
※測定中、移動のときは視準しながら歩くと躓いたりころんだりしては危ないので足元にお気をつけください。